本を汚す勇気(参考書籍:知的戦闘力を高める 独学の技法)

ビジネス本をよく読むようになって約3年がたつが、この習慣がなかった自分を想像すると相当恐ろしい。思考のベースとなるような拠り所もなければ、論理的に考える癖もつかなかっただろう。

まずその行為が面白いと思ったり、自分に肯定的な影響を与えていると実感することが、習慣化する第一歩だとしたとき、読書に対して次なるステップに進む必要がありそうだ。

それが、得た知識を武器に変えるというステップだ。

そのために重要なのが、一回得た情報が陳腐化することなく、いつでも取り出せるようストックしておくこと。ドラクエで言えばふくろの中に入れられる装備品や道具の上限数が限りなく多い状態のイメージ。

ビジネス本も多く書いている影響力の大きい山口周さんの著書(『知的戦闘力を高める 独学の技法』)によると、それを「イケス」という言葉を用いて次にように説明している。

いかに大量かつ良質の情報をインプットしたとしても、それらのインプットを知的生産の文脈に合わせて自由に活用できなければ意味がありません。(中略)最大のポイントは、記憶に頼らないという心構えを持つということです。

そしてそのためには、

まず何よりもイケスに囲い込んでおく魚の選り抜きが必要になります。興味深い情報、感銘を受けた逸話など、「オッ」と思うような情報に接したら、とにかくその情報を採集しておきましょう。 

ということだ。

その情報採集に有用なのが、「本にアンダーラインを引く」という行為。そして、読了後に振り返って選抜した数カ所を後で検索できる機能(evernoteやブログ)に転記するということ。

これは実は半年以上前に読んだ本であってずっと頭にはひっかかっていたのだが、本当は本を綺麗に読みたいというのと(コレクション感覚)、再読の時に先入観があってはいけないという謎のこだわりがあって躊躇していた。

だけど、特に後者に関してはむしろ逆で、初読の時の新鮮な気づきや驚きなどを残す行為がとても重要であって、今付箋をはってるだけではそれが見えないということにもったいなさを感じ始めた。こうなったら徹底的に汚そう(とかいいながら念のためフリクションボールペン)。

ちなみに、著書ではアンダーラインの引く個所は下記で推奨している。

①後で参照することになりそうな興味深い「事実」

②興味深い事実から得られる「洞察」や「示唆」

③洞察や示唆から得られる「行動の指針」

 これまで僕が読書ノートに転記していた内容をざっと見返すと上記のうち主に②に特化していたことがわかった(なので、この考えの根拠なんだっけ?と読み返してもったいない)。①と③も意識してイケスにストックしていきたい。

 

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著者は「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」という著書も出されている通り、本を汚すことに関する姿勢も素晴らしい。

本にポストイットを貼ったり、書き込みをしたりすることは、もちろん汚れるわけですが、むしろ「どれだけ美しく汚せるか」を考えてみる。本を素材にして、自分の生きた証の芸術作品としてどう残せるかを考えてみるということです。

本を汚す勇気を、どうもありがとうございます。

 

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知的戦闘力を高める 独学の技法

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