オーディオブックを活用するための3つの目的【Audible活用法】

オーディオブックの活用方法

子育てをするようになってから、読書をする時間が余るほどあった過去がいかに贅沢であったかを痛感します。子育てをしてなくても、日常の中に読書時間を見出すのは案外と難しいことです。

そこで、すきま時間をうまく利用して読書時間を確保するのにオーディオブックという選択肢をうまく取り入れたいところです。しかし、オーディオブックを利用し始めてから約1年くらい立ちますが、それなりにデメリットも多くあります。

今回はそのデメリットを踏まえた上で、オーディオブックをどう活用すべきかという点を整理してみたいと思います。

 

※利用しているオーディオブック(Audible)

Audible (オーディブル) - 本を聴くAmazonのサービス

Audible (オーディブル) - 本を聴くAmazonのサービス

  • 発売日: 2020/03/14
  • メディア: アプリ
 

 

オーディオブックのデメリット

まず、1年ほど使ってみて感じたオーディオブックのデメリットは次の通りです。

①ストーリーの連続性を担保するのが難しい

②読み飛ばしができない

③重要な箇所を丁寧に読めない

それぞれ簡単に説明していきます。

 

①ストーリーの連続性を担保するのが難しい

僕がオーディオブックを通して読む書籍は主にビジネス本ですが、小説にしろビジネス本にしろ、読書には一貫性を理解することは欠かせません。前に書いてあることを忘れてしまうと、正しく文脈を理解できないからです。紙の本については、この点で利点があります。まず、目次を簡単に振り返ることができます。目次は優れたシステムで、これを振り返るだけで文脈が理解できる場合がほとんどです。

しかしオーディオですと、これが簡単ではありません。更に、目次では振り返りきれなかった内容についてはもう一度聞き直すということが必要になりますので、能率が悪いです。

 

②読むスピードに抑揚がつけられない

また、それとは逆に、すでに既知の内容だったり、読まなくても理解できる部分についての読み飛ばしができないことも読書家にとってはデメリットになります。小説に関してはこの観点はないかと思いますがビジネス本に関してはこれは思いの外大きい要素になります。

ビジネス本に多い構造として、例えば下記のような構造があります。

A)著者の主張+それを裏付けるエピソード

B)著者の主張+それを裏付けるデータ+データの詳細

Aのエピソード部分に関しては特に欧米の書籍については蛇足的に長いことがしばしばあります。Bについてもその該当するデータを既に知っている場合は、読む作業を割愛できます。僕はこれが速読の正体だと思っているのですが、オーディオブックですと、どこまで飛ばしていいかわからないので、結果的にすべてを聴くことになる。

紙の本だと2時間で読める本も、4時間かけて読まなければならない、ということが有り得ます。

 

③重要な箇所を丁寧に読めない

それとは逆に、ちょっとゆっくり理解したいな・・という部分についても同じスピードで通りすぎることになります。時間をかけて読みたい内容には、「理解するのに時間がかかる」「理解した上で考え事につながるため時間がかかる」の2種類があります。どちらも大事ですが、個人的には読書には後者を期待している部分があり、自分自身の思考を熟成させるという作業はないがしろにしたくないなとい思います。しかしながら、オーディオは無情にも同じスピードで駆け抜けていきますので、熟成させるまもなく次の内容の理解を急かしていきます。

 

オーディオブックを活用するための3つの目的

では、どのようにオーディオブックと付き合えばいいかというと、今のところは次のような目的で利用するのがいいかなと思っています。

【オーディオブックの利用方法】

①一度読んだ本の読み返し

②積ん読してある本の先行読み

③紙の本を読むまでもないけどちょっと気になる本(ベストセラーとか)

 

これまで見てきたとおり、本命の本をオーディオブックで聴くのはあまりおすすめできません。本を読む動機というのは大事にしたほうが良いと思っていて、少しでも味見してしまうとその動機が減ってしまいます。本命の本は、最初に持つ「読みたい・・」という思いそのままのエネルギーで手を付けたいと考えています。

そうなるとそれ以外の本、ということになりますが、それが先にあげた3つの種類になります。

①に関しては、何度か試したことがありますが、結果的に良かったのでここであげてみました。とても良かった本でも、案外と紙ベースで読み返す機会というのはなかなかないものです。それよりも新しく読みたい本があるならばそちらに手をつけたほうがいいと思います。であれば、これは読み返したいな・・という本はオーディオブックでやってしまおうという発想です。

②に関しては人を選ぶ発想かと思いますが、僕は本だけは迷わず買ってしまおうという考えで購入してしまうので、積ん読状態の本が多くあります。それも、結局新しく買った本に読みたいエネルギーが負けてしまうからなのですが、この理論でいくと積ん読状態が続くことになります。その積ん読本の中から、一つ優先順位をあげる本になるためにもオーディオブックで味見をして、良さそうだったら手を付ける、という発想です。半永久的に消化されない運命だった本を救い出すことができます。

③が、個人的には最もオーディオブックで利用する方法になります。自分では積極的に購入しないけど、ちょっと気になる、という本になります。この「自分では選択しない」という部分が非常に重要です。現代においては、自分にあったサービスやモノを次々と推奨される仕組みが多くあります。ECサイトも過去の購入履歴に基づいて提案してきますし、ニュースサイトも自分の好みに合わせたニュースを提示してきます。こうなると、自分の好みの沼にハマってしまい、その沼以外のジャンルに拡張する機会が減ってしまう構造になるわけです。

そこで、その快適な仕組みの中で、少しでも拡張性があるものを取り入れたいと考えたときに、「選書」というカテゴリーにおいてはオーディオブックは非常に優れたツールになります。先程あげたデメリットは、「ちゃんと読みたい本」を対象とした場合に適応されるものです。ちゃんと読まずに、味見する程度であれば、自分の意志に関わらず流し続けてくれるオーディオブックは最適だという考えもできます。紙の本であれば、目線を動かす、ページをめくる、など能動的なアクションが多く必要ですが、オーディオブックは意思に関わらず読み続けてくれる。そうすると一定程度の量にふれることができます。一定程度の量は、思わぬ気付きや驚き、面白さをもたらしてくれるかもしれません。

僕は、オーディオブックを通じて心理学に少し興味を持ち、その結果として心理学の本もうちょっと読んでみたいな・・という形で紙の書籍を購入した経験があります。このように興味関心ごとの拡張のための味見ツールとしては優れていると考えています。