転職・キャリアを考える上で読んでおきたい本10選(前編)

転職を思考することは非日常ではなくなり、むしろビジネスマンとして日常の中にあるべきだとすら考えられる時代になりました。終身雇用の終焉や大企業の倒産リスクなどを筆頭に、一つの会社で勤め上げるというのは神話であることを誰もがなんとなく自覚し、いざ市場の中に放り投げられると自分という個にはどんな価値があるのか?という問いに向き合い続ける必要があります。

なので、仮に現職に満足していても、キャリアを描く上では転職、つまり現職以外の選択肢を思考することは特別なことではありません。実際に、そうした思考態度を推奨する本もいくつも見られます。

今回は、これまで僕が読んできた本でキャリアに関して影響を受けた本を10冊選んでまとめたいと思います。キャリアに関することが主題ではない本も取り入れてますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

※前編でキャリア論ど真ん中系、後編で別テーマでキャリア論に触れている系を紹介します。

 

キャリア論ど真ん中系 

  • 自分の動機とマッチングがより高く、したがってごく自然に自分のコンピテンシーをより発揮して仕事ができる人ほど幸せになる
  • 動機は個人の意志や努力で変えることがかなり難しい
  • マイナー部門や会社でも初めて取り組む新しい部門などの方が実績を出すにははるかに有利だ
  • 2番目に得意なことを仕事にすべきだ、そうすれば自分の一番得意なことが、その触手のなかでも差別性・希少性になるから
  • 人材輩出企業=優秀な人材を数多く生み出し、しかもそこで育った人材が自立的なキャリアを求めて、どんどん外に出て行って活躍し、その会社のイメージを高め、ますますいい人材が集まるような会社

 

 

  • 労力のわりに周りが認めてくれることがきっとあたなに向いていること、それが自分の強みを見つけるわかりやすい方法だ
  • 一見非効率に見える人間の「好き」を突き詰めてその「好き」に共感する人が「ありがとう」とお金をはらってくれる「偏愛・嗜好性の循環」こそがのこっていくということ

 

  • 無形資産①生産性資産(スキル・知識)②活力資産(健康、友人関係、パートナー、家族)③変身資産(自己認識、人的ネットワーク、新しい経験へのオープンな姿勢)
  • 重要なのは、小規模な仕事仲間のネットワーク、それも相互の信頼で結ばれた強力なネットワーク
  • 組織は個人か自己の目標を追求する場ないし、手段と位置付けられるようになった
  • 新しい人的ネットワークを築けば、古い友達の一部と疎遠になることはさけられない
  • 長い年数働く時代に活力を維持するために、週休3日の勤務体系が強力な選択肢となる可能性もある
  • 新しい知識に投資するためには週に1日ではなく、もっと集中的に取り組む期間が不可欠なのだ
  • スキルを更新し、新しい試練に挑み、新しい人的ネットワークに投資することは、パートナーとの緊密な協力関係があれば、格段に実行しやすくなる
  • 無形の資産をマネジメントするためにそのような実験の期間を経験する人が増えれば、企業は履歴書の空白期間にもっと寛容にならざるを得なくなる

 

 

組織にいながら、自由に働く。

組織にいながら、自由に働く。

  • 作者:仲山進也
  • 発売日: 2018/06/29
  • メディア: Kindle版
 
  • 「やらなければいけない仕事」と「楽しむこと」は別のものと割り切ってしまうと仕事が楽しいという状態への道が閉ざされてしまいます
  • 仕事を楽しくするためにはまず目の前の仕事をするにあたって「好みではない作業を減らす」ことと「好みの作業を増やすこと」がキモ=プロセス目的的(フロー体験でいう自己目的的)
  • 私は「今日の業績は2年前の仕事の成果」と考えるようにしています
  • 素人目線の賞味期限はおそらく半年ほど
  • トラリーマン:①レールから外れた経験のような「痛み」を伴う転換点があること②突出した結果をだしていること(顧客の中に熱狂的なファンがいるなど)③経営層に理解者がいること
  • 目指す境地は、「自分が関わる人たちはなぜかうまくいくけれど、たまごちをもらうことはない」という何もしてない風のプレースタイル

 

 

  • 人的資産は正直、20代は大した価値にならない。だが、年を取り、40代以降になるときわめて重要になる。
  • 伸びるマーケットを見つける2つの方法は①複数のベンチャーが参入し、各社が伸びているサービスに注目する、②既存業界の非効率を突くロジックに着目する
  • 特別な才能を持たないほとんどの人間にとって、重要なのはどの場所にいるか。つまりポジショニングなんだ。そしてポジショニングは誰にでも平等だ。なぜなら「思考法」で解決できるからな。
  • 「働きやすさ」はきわめて重要だが、マーケットバリューと相反するものではない。むしろ長期的には、一致することが多い。マーケットバリューが高い人が集まる会社のほうが、長い目で見ると働きやすい。
  • 会社には強みとなる「エンジン」がある。いちばんパワーを持っている部署や組織はどこか。エンジンと自分の触手が一致しているほうが、裁量権は持ちやすい。経営陣や主要メンバーのバックグランドを見ろ。大企業であれば、どの部門出身の人が出世しているのか。ベンチャーであれば、経営陣はどんな会社出身の人が多いのか。その割合がほぼそのまま、エンジンと対応していることが大半だ。
  • マーケットバリューと給料は長期的には必ず一致する。すでに給料が高い成熟企業と、今の給料は低いけど今後自分のマーケットバリューが高まる会社とで悩むことがあれば、迷わず後者を取れ。
  • 他人にまでやりがいを押し付けるな。すべての人がやりがいを追い求めなければいけないわけではない。
  • 人間には2パターンいる。そして君のような人間には、心から楽しめることなんて必要ないと言っているんだ。むしろ必要なのは、心から楽しめる「状態」なんだ。
  • to doに重きをおく:何をするか、で物事を考える。明確な夢や目標を持っている。1%
  • being に重きをおく:どんな人でありたいか、どんな状態でありたいかを重視する。99%
  • これからの時代にどんなややつが強いかわかるか?それは個人として「ラベル」を持っているやつだ。

 

 

今回は、これまで僕が読んできた本でキャリアに関して影響を受けた本を10冊選んでまとめたいと思います。キャリアに関することが主題ではない本も取り入れてますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。以上、どれも一度は読んでおいたほうが良い本を紹介いたしました。振り返って自分でもまとめていると、自分の思考土台になっている考えがこれらの本であることに気づきました。キャリア系の本は、つまり「仕事を考える」ということだと思うので、日常的な仕事の中での苦労や悩みを乗り越える材料としても度々登場する考えですね。ここらへんに強い軸を持っている人は、仕事をする上で苦難を乗り越えるという意味でも有利なんだと思います。

後編では、キャリア系の本ではないけど、キャリアを思考する上で金言が書かれているものを取り上げたいと思います!(完)。