なぜ今、「インサイドセールス」が面白いのか?(参考書籍:インサイドセールス 究極の営業術 最小の労力で、ズバ抜けて成果を出す営業組織に変わる)

インサイドセールスはフィールドよりも面白い?

2018年を振り返ると、「インサイドセールス」の面白さを体感した一年となりました。僕自身は製薬企業で5年間フィールドセールスを経験し、今のWEB系会社でフィールド/インサイドどちらも経験している人間です。どちらかというと、フィールド(≒対面)営業の方が得意ですし、その面白さも十分理解しているつもりです。

でも、間違いなく言えるのは、「今、インサイドセールスが面白い」ということです。10年後はわかりません。ではなぜ、今そのように感じているのか。

 

なぜ、「今」面白いのか?

様々なご意見があるとは思いますが、僕は下記3点と捉えています。

  1. インフルエンサーや代表企業が登場し、その魅力を体系立ててアウトプットし「始めている」から
  2. インサイドセールス部隊に向いているツールが充実し「始めている」から
  3. インサイドセールスが仕事として面白いから

順を追って紹介していきます!

 

インサイドセールスが体系化されてきた

インサイドセールスって何?と思う人も多いと思います。インサイドセールスが注目されてきてから、従来の訪問営業や対面営業がフィールドセールスとして括られるようにもなりました。 

なぜそのような分類が必要なのか?インサイドである意義は?その役割は?これらの問いへのアンサーは会社ごとに違うと思いますし、整理したとしてもしきれることはないと思います。

 

リアルイベントの活発化

しかし、近年「インサイドセールス」ってこういうことだよね、こういう役割を担うべきだよね、という議論が公になされるようになってきました。そしてそれを肌で実感する出来事がありました。

2018年12月6日に虎ノ門ヒルズで開催された「インサイドセールスカンファレンス」です。

insidesalesconference.jp

正直、ツイッターやSNSで有益な発言をされる方と直接話せれるかもしれない、と期待を抱いて行ってまいりましたが、とんでもない。会場は大盛況で会場中参加者で埋め尽くされており、一つのパネルディスカッションを視聴するだけでも一苦労。パネラーの方と話す機会は得られませんでしたが、インサイドセールスの時代が来たと来場者誰もが感じたと思います。(↓開催直後のtweetです)

 

専門書の増加

そして、こうした情報はカンファレンスのような一時的なものではなく、ストック情報としてビジネス本も発売されています。

インサイドセールス 究極の営業術 最小の労力で、ズバ抜けて成果を出す営業組織に変わる

インサイドセールス 究極の営業術 最小の労力で、ズバ抜けて成果を出す営業組織に変わる

 

 ↑インサイドセールスの導入・仕組化の実態が、セールスフォース社やユーザベース社の実例をもとに、かなりリアルに記載されてます。僕も同じ立場として、つまづく場面や課題がかなり一致していてとても参考になりましたし、勇気付けられました。

 

インサイドセールスのツールが充実してきた

上記のような盛り上がりも、それを支える技術・ツールの出現が土台にあるのだと思います。(テクノロジーとビジネスは相互作用が強く、僕らもテクノロジーに敏感でなくてはならないといつも思います)

具体的には、オンライン商談ツールのベルフェイス社や、リード管理ツールのマルケト社が代表かと思います。

こうしたツールにより、どの会社もインサイドセールスを検討してから導入するまでの障壁がこれまでと比べて圧倒的に低くなっています。こうして導入会社が増えていくことで、情報交換が頻繁に行われ、さらにその領域が深まっていくのだと思います。それをリアルに体験できて嬉しい。

 

こうした「新しいツールの登場」や「最先端の情報が得られる機会」といったものはまさ”今だけ”のものです。残念ながらすでにファーストペンギンではありませんが、もしかしたら各会社に限定した話ではそれに近い状態かもしれない。周囲もまだ答えを持っているわけではないし、自分の仕事がもしかしたらとても影響力を与える事例になるかもしれない。こういった「今作り上げている感覚」がインサイドセールスを面白くしている大きな要因だと考えています。

 

何が面白いのか?

とはいえ、やっぱりそれ自体の面白さが全てを支えています。

ここでは、先ほど紹介したビジネス書の『インサイドセールス 究極の営業術 最小の労力で、ズバ抜けて成果を出す営業組織に変わる』からの引用も踏まえつつ、下記の2点から整理してみます。

1)利益を生み出す仕事

2)将来性のある仕事

f:id:blogtomizawa:20190102185454j:plain

 

インサイドセールスは「利益を生み出す仕事」だ

フィールドセールスでは効率が悪い

昨今、フイールドで対応するには効率の悪いビジネスモデルが増えてきました。サブスクリプションモデルなどが代表ですが、「導入・購入」の時だけではなく、「継続利用・追加購入」のアクションの重要性が増してきている中、すべてにアポイント・訪問では効率が悪く営業コストがかかりすぎます。

一方でインサイドセールスは、フィールドが1日4商談程度に限界がある一方で、1日10〜20件の商談の実現を可能にします。こういった背景からインサイドセールス部隊の立ち上げを検討する会社も多いと思います。

そしてその導入により、セールスの生産性が向上し、会社の利益が上がる。今の時代にこういったわかりやすく事業に貢献できそうな仕事はそう多くないのでは?僕はそこに面白さを感じます。

 

マーケティングプロセスとの相性が良い

BtoBの領域では、マーケティングアプローチが主流になってきつつあります。こちらからのアウトバウンドで積極的にお勧めする従来型の営業ではなく、「必要な人に情報を届け、問い合わせをしてもらう仕組みを作ること」をミッションとするアプローチですね。

これを「受注」や「購入」をKGIとするフィールドセールスにそのままパスすると温度感の差分にびっくりしてしまいます(もちろん、それで受注に至るケースも多いですが)。インサイドセールスはそんなマーケとセールスの橋渡しの役割を担うことができます。

リードの見込み度合いが整理されていない状態では、別の問題を生みます。それはリードの関心に噛み合わないセールス活動をする可能性があるということです。例えば、リードは商材に少し関心があり資料が手に入れば満足する段階なのに、具体的な提案に向けて訪問のアポイントを熱心にとりにいくといった具合。

これはマーケからも、セールスからも「ナイス!」と言われる立場であるということ。社内的な承認や評価を得られるということは当然、仕事のやりがいの一つですよね。加えて、そういった評価を得るためにはそれぞれの業務をきちんと理解していなければならない。つまり、セールスの全フローを一番理解しなければならないのはインサイドセールスであるということです。その役割を考えると、セールスやマーケとの会話は必須ですし、むしろインサイドセールスから示唆だしや提言をすることが求められます。

 

このように、深めなければ一定の役割に留まりますが、深めれば事業の深い部分にもアプローチできるのが魅力的なんだと思います。

 

インサイドセールスは「将来性のある仕事」だ

マーケティングスキルが高まる

マーケティングの領域は科学と相性がよく、PDCAが回るのが早く、セールスの領域に比べ進むのが早い。それが魅力でマーケ職を選んでいる人も多いと思いますが、インサイドセールスはマーケとセールスどっちの役割ももっているマルチな領域です。

例えば、現在セールスでマーケティングに興味のある人は、インサイドセールスを経験することで、得意分野を生かしつつ、新しい知識をインプットできます。そんないいとこ取りなキャリアプラン、なかなかないですよね。僕はそこに魅力を感じます。  

 

PDCAが早く、一体感をもった仕事

文字通り、インサイドセールスは社内で業務が完結します。それゆえに、成功・失敗共に、周囲の目につく場所にあります。もちろん、それが嫌だという人が多いのは理解しておりますが、それさえ乗り越えればこれほど早く・多く他者からのフィードバックが得られる環境はありません。

さらに、目指している指標や目標もチームで共有するわけですから、毎日部活のような一体感を産むことが可能です。(しかし、これが相当難しい。チャレンジし続けるという面白さは間違いなくあります)

弊社の中でも、おそらくこれだけ同じ空間で、類似性が高い業務を一緒にするのは珍しい。(中略)実は人と働くことの醍醐味とかダイナミクスが味わいやすくてマネジメント能力が試されるのは、インサイドセールスじゃないかと思っています。

 

リモートワークとの相性が良い

全てインサイドで完結するため、当然フィールドセールスと比較して場所の制約がないというのが大きな違いになります。転勤や出張が当たり前の「営業」という職種に、革命をもたらす可能性があるのは間違ありません。

時代の流れとしても、リモートワークへの注目度の高さは無視できません。リモートワークであるからこそのメリット・デメリットをそれぞれの状況で整理して、チャレンジしてみるのも良いと思いますし、すでに今それができる時代になっています。(弊社でも検討してます)

 

このように、インサイドセールスは「雇用」という意味では拡大していく市場だと思います。なので、その経験を積むことは自分の「市場価値」を高める前向きなキャリア選択だと思いますし、それを高速PDCAを元にどんどん業務をよくしていくことができる。(※これに、マネジャーが優秀であればチームの一体感もついてくるのですが、これは環境によるかも)

それがインサイドセールの仕事の醍醐味だと思います。

 

最後に

本業に関するものなので、結構長くなってしまいました。最後まで目を通していただき、ありがとうございます。

今、インサイドセールスは間違いなく熱い領域です。2019年もどっぷり浸かる予定ですので、みなさんと情報交換できたら嬉しいです。

2019年もどうぞよろしくお願いいたします。