B2Bセールスのためのお勧めビジネス本7冊【2018年10月時点】
今回のテーマは「セールス」
僕自身、かれこれ8年ほどほぼセールスとして会社員人生を送ってきたのでまずまず関連本は読んでいると思います。
でも営業の本って、
- トップセールスマンの感覚やマインドっぽい要素が多くて参考にならなかったり
- これまたトップセールスマンの自分語りや武勇伝のエピソード本だったり
- 当たり前のことを箇条書きで羅列しているハウツー本
が多くて、良本に出会うコトって意外と難しいと感じます。
個人的にビジネス本の良本の定義は下記の通り考えており、今回はこれらを満たしている本を紹介していきたいと思います。
ビジネス本|良本の定義
1)論理的で主張がわかりやすく、どんな環境で働いている人にとっても示唆がある(具体の話をうまく抽象化できている)
2)体験談や思いなどを通じて著者の熱量があふれていて、「お話」として面白い(抽象の話を具体で魅力づけできている)
つまり、右脳と左脳をバランスよく使える本が素晴らしいという話でしょうか。
なんで、上記の営業本にありがちな「つまらなさ」や「参考にならない」というネガな意見は、主に1)の要素を満たしていないケースが多いということかもしれません(一方で、戦略やマーケの話は2)を満たしていないケースが多いという感覚)
目的別に分類
営業と言っても、求められる能力は様々で、会社や環境によって求められる役割は変わってくるかと思います。
なので、ここでは下記のように立場に分けて紹介してみたいと思います。
- セールスってなんぞや(プレイヤー向け)
- セールスを育てよう(マネジメント層向け)
あと、セールスと言ってもここではBtoB向けのものを主な対象としますので、その点ご了承いただければと思います。
プレイヤー向けお薦め本はこれだ
営業を始めるならまずこれを読もう
あたりまえだけどなかなかできない営業のルール (アスカビジネス)
- 作者: 西野浩輝
- 出版社/メーカー: 明日香出版社
- 発売日: 2005/10/01
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
リクルート出身の西野さんが執筆された本で、僕はインターン生や新卒のメンバーにはまず1冊目としてこの本オススメしてます。
目次を見て頂いたら一目瞭然なんですが、売れる営業マンになるための「解説書」になってます。マナーやマインドといった「営業マンとして当たり前のことを当たり前にできるように」なるための基礎的な部分(→A)だけではなく、営業9年目の今読んでも新しい気づきがある部分(→B)、1冊は手元に置いておきたい本です。
A)基礎
ルール2 営業マンは、お客さんと自社の両方を満足させよう
ルール15 朝一番の仕事力を利用しよう
ルール23 身だしなみにきをつけよう
B)応用
ルール57 質問が尋問にならないようにしよう
ルール66 お客さんに反論するときは、「Yes and」法を使おう
ルール69 お客さんとの約束期日は、やや遅めに設定しよう
さっき見返しててとまらなくなりました。上記はあくまでも一部抜粋したものですが、これだけでもちょっと読んでみようか、となりますね。やっぱ、1冊持っててよかった。
これも1冊目同様、元リクルートの高城さんの本で、基礎的なことがよくまとまっている本になります。あえて比較するならば、1冊目はTIPS集っぽくまとまっているのに対して、こちらはより営業のプロセス単位でそれぞれのポイントがうまくまとまっている本だと思います。
実際、法人営業とはこんな仕事だわさ→(全体像)プロセス管理大事だよ→(各論)アプローチはこうすんだよ→ヒアリングはこう→提案はこう→クロージングはこう、と一連のプロセスで勉強できます。「自分は他の人と比べてここの展開率が低い」という課題が明確なのであれば、そこだけスポットで読んでも示唆があるかもしれません。
実践が始まったら早めに読んでおこう
- 作者: ニール・ラッカム,Neil Rackham,岩木貴子
- 出版社/メーカー: 海と月社
- 発売日: 2009/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
営業の「聴く技術」 新版―SPIN「4つの質問」「3つの説明」
- 作者: 古淵元龍,大堀滋
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2008/08/28
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
ここでさくっと紹介するのはちょっと違う気もしますが、何を差し置いてもこれははずせません。流行り出したのが10数年前なので既にいろいろ言われていますが現時点での法人営業の主流はこちらで間違いないかと思います。
なにより体系立っているのでどの環境でも適応できますし、営業同士の共通言語にできるのがすごいと思います。弊社はこのスキームでロープレやります。
当然、マネジメントラインの方もよく理解した上で、プレイヤーに指導していく必要があるので、基本的にはどの立場にいる方も一読(じゃ足りないですが)すべき1冊かと思います。
概要に関しては、端的にまとめられてツイートを見つけたので引用しちゃいます。
すごく端的な良い解説なのでメモ https://t.co/BeNtbVXHhd
— とみざわ (@tomizawa1988) October 31, 2018
こっちもメモ https://t.co/CgIsuIrsH1
— とみざわ (@tomizawa1988) October 31, 2018
営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて
- 作者: 冨田和成
- 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
- 発売日: 2017/09/27
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
「鬼速PDCA」で有名な元野村證券の冨田さんの本です。真似できないくらい緻密で誠実な営業手法を実践されてきた方なので、どの営業にも刺激になると思います。著者自身は圧倒的な努力や継続性を考えると天才だと思うのですが、ここまでやれば凡人でも成果がでる!と思わせてくれる良書です。
実際、本書のプロセス思考や各プロセスの実行方法はいくつかパクって、自チームの戦術や方針策定に使いました。タイトルもシンプルに「営業」となっている通り、幅広く応用が可能な本です。
マネジメント層向けには
セールスが更に事業に利益をもたらすために
ここではプレイヤー→マネジャー(もしくはメンターなど)を意識したタイミングで読むべき本を紹介します。
かなり唐突なんですが、ロジカルシンキングの超良書です。セールスにとって、「どうしたら売れるの?」とか逆に「なぜあのお客さんには売れないの?」を事業にフィードバックすることは大きな価値です(むしろ僕はそれが一番重要だと思っているし、やりたいことでもありました)。そうすることで商品そのものを改善できたり、営業手法を変更したりすることに影響を与えることができます。これは、「一人のプレイヤーで生み出す利益」だけではなく「事業単位で生み出す利益」ですのでその貢献度は比較になりません。
でも営業ってどうしても科学がしにくい領域が多く(”勘”や”度胸”が大事と言われてきたのはその辺が理由かと)、かつ顧客毎に特徴が違うので抽象化・パターン化しにくいという前提があります。ゆえに、会社から「どうなの?」と聞かれて、「たまたま」とか「ラッキーでした」とか釈然としない回答が頻発します。また自信をもってフィードバックしている風でも、その顧客にしか当てはまらないような内容も多々あるかと思います。
そこで必要なのが「ロジカルシンキング」だと僕は思います。この力で具体と抽象を行き来して、事業観点をもっている人材を目指して欲しいと思います。
チャレンジャー・セールス・モデル 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」
- 作者: マシュー・ディクソン,Matthew Dixon,ブレント・アダムソン,Brent Adamson,(序文)ニール・ラッカム,Neil Rackham,三木俊哉
- 出版社/メーカー: 海と月社
- 発売日: 2015/10/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
次世代型営業のあり方は「チャレンジャーセールス」だよ、ということを圧倒的N数の営業マンのデータに基づいて主張している本です。チャレンジャーセールスとは商談において、顧客からのヒアリングをベースとする技術だけではなく、「指導・適応・支配」というやり方で顧客を成功に導く営業マンを意味します。
それこそ「勘・度胸・ハッタリ」などで長年営業をしてきた世代にはもしかしたら理解できない内容かもしれません。また、顧客との「人間関係の良好さ」を強みとしている営業マンにとっても簡単には受け入れられる内容ではありません(僕もどっちかというこのタイプなので1ページ読むたびに眉間のシワが深くなりました)。
しかし、この本を読むとなるほど確かに、となることが多く、避けては通れない、むしろどんどん示唆をもらって、現場で仮説検証を繰り返していく必要がある内容となってます(簡単じゃないですが)。
特にマネジメント層は絶対読んでおくべきだと思います。
最後に
以上、売れる営業を目指すセールス向けにオススメする7冊を紹介いたしました。
もちろん、この他にも営業に必要な要素は腐る程あるかと思います。マーケティングのことも知ってなきゃいけないし、マクロの市場理解やターゲティング、などなど。上記であげた7冊は比較的、「どの業界にもいきる」という観点で選択していますので、みなさんのオススメの本などありましたら教えていただけると嬉しいです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
■AMAZON
あたりまえだけどなかなかできない営業のルール (アスカビジネス)
- 作者: 西野浩輝
- 出版社/メーカー: 明日香出版社
- 発売日: 2005/10/01
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて
- 作者: 冨田和成
- 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
- 発売日: 2017/09/27
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: ニール・ラッカム,Neil Rackham,岩木貴子
- 出版社/メーカー: 海と月社
- 発売日: 2009/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
営業の「聴く技術」 新版―SPIN「4つの質問」「3つの説明」
- 作者: 古淵元龍,大堀滋
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2008/08/28
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
チャレンジャー・セールス・モデル 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」
- 作者: マシュー・ディクソン,Matthew Dixon,ブレント・アダムソン,Brent Adamson,(序文)ニール・ラッカム,Neil Rackham,三木俊哉
- 出版社/メーカー: 海と月社
- 発売日: 2015/10/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る