「THE MODEL」を取り入れる上での注意点(参考書籍:THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス)

2019年が終わり2020年を迎えました。あけましておめでとうございます。

2019年を振り返って、個人的に読んでよかった(良すぎた)書籍を整理しておきたいと思います!

 

◆2019年読んだ本ベスト3

第1位 『サピエンス全史』

第2位 『THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス』

第3位 『成功はランダムにやってくる!チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方』

 

上記はすべて当ブログで取り上げたことがありますが、『THEMODEL』については昨年度1年でだいぶ読み方・捉え方が多面的になってきたと思うので、改めて取り上げみたいと思います!

※過去記事も見ていただけると嬉しいです。

 

www.dokuryou.com

www.dokuryou.com

www.dokuryou.com

 

営業の新しいメンタルモデルを構築した

THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス

THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス

  • 作者:福田 康隆
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2019/01/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 こちらの本は2019年の1月に発行された本ですが、まさに「営業」の潮流が変わってきたことを象徴するような1冊です。他にも、『アクセル デジタル自体の営業最強の教科書』や『インサイドセールス 究極の営業術』など、それに値する本も出版されており、営業界隈の方は手にとったことがあるかもしれません。

最近は最先端の営業のノウハウを得ようと思ったら、書籍だけではなくセミナーやウェビナー、SNSやブログなど様々なツールがとても充実しています。僕もそれぞれからインプットを得ている立場ですが、こういった散漫的な情報のとり方でも良質なインプットが得られるのは、営業としての考え方が「標準化」してきているからだと思います。共通の土台にのって各社・各人がアウトプットができるので、話が早い。イチから論理や概念を取り上げる必要がなくなって、それぞれのコンテンツが枝葉のように理解できるため、インプットが蓄積できる。これが『THE MODEL』がもたらした最大の功績だと思います。

そう考えると、営業とは?のメンタルモデルを再構築しているこの本は本当にすごいと思います。MAやCRMの各社のマーケティング戦略とセットだからこれだけの影響をもたらせているわけですが、それも翻ってはTHE MODELという考え方のコンテンツとしての力強さが支えていると解釈できます。

 

売るための仕組みづくりを再定義した

また、このように考え方に賛同され、広まっているという背景には、営業に対する既存の考え方に課題や問題意識を感じる方がそれだけ多かったと捉えることもできます。営業本といえば、トップセールスマンによる売り方のハウツー本が主流でしたが、圧倒的な行動量系だったり奇抜なアクションだったり、再現性のないものが多い印象でした。結局のところ、「俺がやるのはちょっと・・」という感想を持つことが多かったのだと思います。
トップセールスマンになる、ということは既存の仕組みの中で、既存の商品の中で、いかに多くを売るか?という「個人のパフォーマンス」に依存する考え方です。なぜそういう発想になるかというと、営業は営業、マーケはマーケと縦割りの考え方をされてきた組織が多いからではないでしょうか。

それに対して、THE MOEDLの考え方は、「個人のパフォーマンス」に依存するのではなく、「組織の仕組み」にフォーカスを当て、「売れ続ける仕組み」を作る考え方です。これにより、マーケからセールスの一貫したフローで改めて捉え直す会社が増えました。組織の体制から抜本的に改善するような会社の実例も聞かれてますので、この影響は今後も続くのではないかと思います。

 

そのまま取り入れることのリスク

ただここで注意しなければならないのは、THE MOEDLはあくまでも一つのベストプラクティスなのであって、その中でも特に汎用性が高い仕組みだ、ということを理解しておくことです。丸パクリでは絶対に機能しないですし、自社や自事業に合わせた取り入れ方をしないと事業として後退することもありえます。

先日開催されたインサイドセールスカンファレンスでは、THE MODELが一番相性が良いのは、ターゲットがホリゾンタル(全産業型)×SMB(中小規模)の商材だと議論されてました。逆にバーティカル(業界特化型)だったり、エンタープライズ(大手向け)の商材には必ずしも相性が良くないと捉えることができるかと思います。いずれにしても、今向き合っている事業の課題に対して、どの打ち手が最適か?に向き合うことがビジネスの面白さなのであって、間違っても「流行っているから」や、「なんか良さそうだから」で取り入れる安易な選択をしないように注意したいです。